ドイツ語のイディオム
日常生活で本当に出会うイディオム6個を、意味、いちばん近い日本語の表現、例文つきで。どのリストにも載っているのに、だれも口にしない珍しい表現は入れていません。
ここにないもの
たいていのイディオム集は、だれも使わない表現でいっぱいです。絵になって、説明しやすいけれど、会話には決して出てきません。このリストの基準は違います。ここにあるイディオムはどれも、ごくふつうの1週間のうちに出会う可能性があるものです。仕事で、会話で、メールで。
そこで、どのイディオムにも3つのものをつけました。ほかで欠けているのは、その2つめです。
- 意味を、キーワードではなく文で。
- いちばん近い日本語の表現。あるいは、日本語には対応する表現がないこと。対応する表現がないと知らなければ、日本語のことわざや慣用句を一語ずつドイツ語にしてしまい、だれにも通じません。
- 例文。そのイディオムが実際に使われている文です。
イディオムは単語より危険です。単語の使い方を間違えれば、ただの誤りです。イディオムの使い方を間違えると、どこかで聞きかじって、意味もわからずに使っているように聞こえます。ここで初めて目にしたイディオムは、ほかのだれかが使うのを一度聞いてから使うほうが安全です。
日常の言い回し
イディオム2個ふだんの会話で耳にする言い方。
これからのことがうまくいくよう、人の幸運を祈ること――文字どおりには「親指を握る」。
日本語: 成功を祈る;がんばってね
Ich drücke dir die Daumen für morgen.あしたのこと、うまくいくよう祈ってるよ。
親指を中にして握りこぶしを作るしぐさが本当に伴います。人は3格(Dativ)で、Ich drücke dir die Daumen.と言います。日本語の「がんばって」のように相手を励ますときにも使えます。
とても簡単だということ――「子どもの遊び」。
日本語: 朝飯前だ;楽勝だ
Der Test war ein Kinderspiel.テストは楽勝でした。
日本語の「朝飯前」とは絵が違いますが、使う場面は同じです。das KinderspielはKinder+Spielの複合語で、性は最後のdas Spielから来ます。
人と気持ち
イディオム1個人がどんな人か、どう感じているかを言うために。
人をひどくいらいらさせること。
日本語: 神経にさわる;いらいらさせる
Das Geräusch geht mir auf die Nerven.その音が神経にさわります。
いらいらさせられる人は3格です。Du gehst mir auf die Nerven.(きみにはいらいらする)。日本語の「私には」の「に」にあたる考え方です。
時とタイミング
イディオム2個早すぎる、遅すぎる、ちょうどいい時。
終わりのほんの直前に。
日本語: ぎりぎりで;土壇場で
Wir haben es in letzter Minute geschafft.私たちはぎりぎりで間に合いました。
letzt(最後の)は女性名詞die Minuteの前で3格の語尾-erを取ります。前置詞inが3格を求めるからです。
何かを1日先に延ばすこと。
日本語: あしたに延ばす;先送りにする
Verschieben wir das auf morgen.それはあしたに延ばそう。
日本語の「あしたに」の「に」はauf morgenのaufにあたります。前つづりver-は分離しないので、verschiebenは離れません。Wir verschieben das.
お金と手間
イディオム1個何がどれだけかかるか――そしてその価値があるか。
何かがとても高いこと。
日本語: 一財産かかる;目が飛び出るほど高い
Die Reparatur kostet ein Vermögen.その修理には一財産かかります。
das Vermögenは持っている財産のすべてです。同じ語根の動詞vermögenは、書き言葉で「〜できる」の意味になります。
イディオムを練習する
意味を見てイディオムを答えます。その逆も練習します。